田中貴子先生 Miyoshiピアノ・メソード講座 

 


2019/06/13

 

ピアニストの田中貴子先生をお迎えし、我国が世界に誇る作曲家・三善晃による、Miyoshi  Piano  Methodの全容を、演奏を交えながら解説していただきました。

 

この画期的なメソードは、ポリフォニーに特化したエチュードです。

 

バイエルに替わるオリジナル・ピアノ・メソードとして、20年以上の歳月を費やし編み出されました。

12のプロポジション(課題・命題)により構成されており、270曲が収められています。

 

 

 

 

 

田中先生が、いきなり第12巻の270番『鏡のフィナーレ』を演奏してくださり、リズミックな指の動きに、さすがピアニスト!と圧倒されました。

 

 

12巻から1巻まで、順にさかのぼるように解説していただき、三善先生が目指されたものへの道筋がよく分かりました。

 

メロディーに仕掛けられたトリック、斬新な指使い、音階奏・・・。

20年かけて考え出されたメソードは、とても奥が深いです。

 

 

 

◎演奏ご披露してくださった曲

『揺れる想い』(第11巻)

『どこまでも ほほ笑み』(第10巻)

『湖底の竪琴』『にこにこのゆりかご』『リスくん、仕事中』(第8巻)

『オルゴール変奏曲』(第6巻)

『仔鯨の夢』『猪たちの祭り太鼓』(第5巻)

 

 

 メロディーが綾なす美しい曲、可愛くて楽しい曲・・・題名もステキでイマジネーションの練習にもなります。

 

 

 

「音」を大切によく聞きながらスローに展開するこのメソードは、時間に追われて生活する現代人には、初めはじれったく思われるかもしれません。

しかし、音を聞き味わうには、時間が必要です。

 

 

そもそもシンプルな音で作られている第1巻~3巻が大切なのですね。

耳の経験を積んでいくことなしに、コンビニエンスに指を動かしても意味はない、と気付かされハッとしました。

 

 

私たちも交代で連弾に初挑戦してみました。

声部を味わいながら弾き、新鮮な良い経験ができました。

 

折しも丁度ピティナのコンペ時期、間違えずに弾くことに気を取られ、大切なことを置き去りにしてしまってはいないか、考えさせられました。

 

田中先生、今日は素晴らしい演奏とお話を、どうもありがとうございました。

 

 

 

文責・・・小髙 菜穂