会員によるピアラーニング 

 

永瀬拓輝先生バロック講座2

 


2020/01/30

 

今年初めての音の葉研究会講座は、昨年5月に催された「バロック音楽について~弦楽器を通して~」の続編です。

永瀬拓輝先生による「装飾について」の講座でした。

装飾については、ピアノの先生なら誰しも一度は迷ったり悩んだりされたことがあるのではないでしょうか?

今回は、ヴァイオリンの門倉佑希子先生にもお越しいただき、アンサンブルをしながら様々な装飾音についてご説明いただきました。

 

 初めに、バロックヴァイオリンのご説明から...

 

バロックチェロにエンドピンが無いように、バロックヴァイオリンには、顎当てが無い、という大きな特徴があります。

楽器が直に体に当たることで、演奏者にとっては、骨にまで音が伝わるような感覚になり、実際にも豊かな響きとなります。

 

その他にも、

●弓に使われる毛の向きが与える、拍感への影響

●顎当てが無い楽器を使ってハイポジションで演奏する難しさや緊張感

●「バロック・ボウはしゃべる弓、モダン・ボウは歌う弓」

 

など、普段、あまり馴染みの無いバロックヴァイオリンについて、たくさんのお話を伺うことができました。

 

 

後半は、バッハのインヴェンションを中心とした、装飾について。

 

●なぜ、こちらはトリルで、あちらはモルデントなのか(音型による違い)

●トリルの入れ方は臨機応変に、連続8度・5度の起こる部分では入れ方を変える

●テンポやテンションによっても入れ方を変えていく

 

などなど。

 

 

装飾は、よく即興的にと言われますが、バロック時代の演奏記録的な記述が残っているため、そのような楽譜をもとに勉強すればするほど、自分の物のようになり、自然と装飾が湧き出てくるようになるのだそうです。

 

ピアノの先生のための講座ということもあり、インヴェンションを、バロックヴァイオリンとバロックチェロで二重奏していただきましたが、まるでこの楽器のために書かれたのかと思うほど美しく、装飾音の表情も豊かで、聞き惚れてしまいました。

 

 

このような演奏を、速く機械的な装飾を入れがちな生徒さんに是非聴かせてあげたい!と思いました。

 

いつか、またの機会に、他の曲もお聴かせいただけましたら幸いです。

 

 

 

 

永瀬拓輝先生、門倉佑希子先生、素晴らしい演奏、講座をありがとうございました!

 

 

 

 

 文責・・・宮原 友美