2017年度下半期 西尾洋先生定期講座
《2018年1月定期講座》
モーツァルト作曲『幻想曲KV 475 c moll』
ドビュッシー作曲 ベルがマスク組曲より『月の光』
2018/01/19
岐阜に越された西尾先生。岐阜大学准教授として多忙なスケジュールの中、今日は、はるばるお越しいただき、定期講座としては最後のアナリーゼ講座となりました。
講座に先立ち、音楽を学ぶ上での心構えについてのお話がありました。
自分で考え、咀嚼して、アウトプットすることが大切
誰かの真似ではなく、自分の気持ちが演奏に表れてこその音楽なのです。
昔に比べ、子どもたちの演奏レベルは上がったけれど、誰かの言いなりになってしまっている似たような演奏が量産されているのはおかしなこと、というご指摘でした。
コンクールの功罪と言ってよいかもしれません。
子どもが作品に対し、辛辣な演奏をしている
審査員の方を向いた演奏は、子ども本来の演奏ではありません。
子どもが大人の犠牲になってはいけません。
今、必要なのは「演奏法」ではなく、曲の仕組みがどうなっているか、楽譜の読み方を学び、それを自分の演奏に反映させることです。
先生の言葉がずしんと胸に響きました。
モーツァルト作曲『幻想曲』
転調に次ぐ転調で、あり得ない展開の連続。
この曲は一体何調だったか解らなくなる、だから『幻想曲』なのですね。
ドビュッシー作曲『月の光』
音程に注目してみる。
3度下がって、2度下がって、2度上がる・・・
リズムは?
音域は?
ポイントとなる音は・・・? (As)
《12月定期講座》
『和声の練習帖』の解説第4回
平均律クラヴィーア曲集1巻より第22番 b moll
クリスマスソングに見る、詩と音楽の関係
2017/12/22
とにかくこの本は、漢字ドリルや計算ドリルのように、ごりごりやるのがポイントなのだそうです。
サッサと進める!
やっている時は、わからなくても、いつかわかる時が来る。
この本が終わったら、次は何をやっても構わない。
直感的に書いてある本、難しい本・・・様々だが、難しい本であってもやってみなければ難しいということがわからない。難しさがわかれば、それはそれで、学びになる。
直感的に書いてある、簡単にわかる本は、その先がない。
平均律クラヴィーア曲集1巻より
第22番 b moll
受難曲の雰囲気を持つプレリュードとフーガ。
キリスト教では、喜びと悲しみが表裏一体である。
クリスマスソングより
『The Christmas Song』
詩は韻を踏む。
言葉のアクセントは、音楽のリズムと連動しており、必ず強拍に大事な言葉がある。
なるほど!
それにしても、日本語は単調なリズムの言語ですね。英語の歌のアクセントと拍との密接な関係を知ることで、拍子感について考えさせられました。
《11月定期講座》
西尾先生のご著書『和声の練習帖』の解説 第3回
2017/11/10
「数字付低音」のカラクリについて、積年の謎が解けました。
なるほど、数字はバスからの音程なのですね。
しかし、いくつかの約束事により、数字の多くは「暗黙の了解」で記載されません。
それにしても、西尾先生が省略されている数字付低音の譜面をスイスイと、もの凄いスピードで弾くので、さすが!と尊敬の念を新たにしました。
他に、楽典の解説もあり、大変勉強になりました。
《10月定期講座》
西尾先生のご著書『和声の練習帖』の解説 第2回
2017/10/13
今日は、前回に引き続き、西尾先生のご著書『和声の練習帖』の解説でした。
音楽の理解に欠かすことのできない和声法ですが、それ(和声)が何なのか、なぜ大切なのか、漠然ととらえている人が多いかもしれません。
ドとミを弾いている時、その結果どのようなことが起こったか?を考えないと、たとえ聞こえていたとしても、音楽の理解にはつながりません。
和声法は、音楽を理解する上で、欠かすことのできないアプローチ。
この『和声の練習帖』で、様々な和声を体験し、ただの音の羅列がそれ以上のものに聴こえてくれば、音楽でしか形にすることのできない不思議な世界に、少し足を踏み入れることができたことになるのです・・・《あとがきより》
『和声』がいかに大切か、わかってきました。
日々、生徒さんと向き合い、より良い演奏を目指してレッスンをしていく上で、指導者の果たす役割は本当に重要です。私たちは学び続けなければならないと、気持ちを新たにしました。
西尾先生、今日は、遙々岐阜からお越しくださり、どうもありがとうございました。
今日は、Y先生がトライアル入会で参加くださり、早速、講座の後に入会を決められました。仲間が増えて嬉しいです。
顧問:西尾 洋先生
2012.6.15 HP開設
2024.1.30 更新♪