2020年度 西尾洋先生講座
《10月講座》音楽史からみる音楽の姿とその変容
2020/10/23
音楽史の大きな流れを俯瞰し、その中から必然的に生まれてきた音楽の姿と変化の形を捉えるという、壮大な内容の講座でした。
音楽はギリシャ神話の時代から脈々と受け継がれて今に至ります。
歴史のうねりの中で、様々な要因により変化し発展してきた西洋音楽。
ルネサンス、バロック、古典、ロマン、近現代・・・
時代によって大きく異なる音楽の構造や形式は、その時々の社会と密接な関係があるということが、解説を聞いてよく分かりました。
なぜ、バロック時代の強弱に、クレッシェンドやデクレッシェンドが無いのか?
なぜ、オルガンの足鍵盤は充実していったのか?
なぜ、古典派の時代にソナタ形式が発展したのか?
そしてロマン派の時代に、それが廃れていったのはなぜなのか?
近現代に、印象派やミニマルアートの音楽が生まれた裏には、どのような背景があったのか?
音楽の成り立ちには、いつも「理由」があったのですね。
人類は、そして音楽は、これから先一体どこへ向かうのだろう?と、ふと未来に思いを馳せました。
西尾先生は大変博識でいらっしゃるので、今回もとても面白いお話をたくさん伺うことができました。
規模が凄くてびっくりした『タリスの40声モテット』。
オルガンを建造しながら演奏する曲の話。なんとそのオルガンは、ドイツにある教会で今現在も演奏中なのだそうです。
また『4分33秒』を作曲したジョン・ケージに東洋の禅や易経の影響があったこと等、興味が尽きません。
ピアノを弾く時、時代背景を知って演奏すべきだとはよく言われることです。
例えばピティナコンペティションA1級レベルの曲をレッスンする時、それがバロック時代のコンチェルトグロッソであることを踏まえ、形式や演奏形態を知って教えなければ、と気持ちを引き締めました。
西尾先生、本日も素晴らしい講座をどうもありがとうございました。
文責・・・小髙 菜穂
《8月講座》ラヴェル「ソナチネ」アナリーゼ講座
2020/08/06
8月は、西尾先生による、ラヴェルのソナチネのアナリーゼでした。
今回はピティナの楽曲の解説を読むところからスタートしました。この解説が「わかったようでよくわからない!」といきなり切り込む西尾先生!
ピティナの解説に限らず、読んでもこれは理解できているのか?と常々思っていた私は、まさに痒いところに手が届く、噛み砕いた西尾先生の説明に脱帽でした。
解説の説明をしつつ、アナリーゼという宝探しへ。。。
「君が代を皆で歌っているよう」
「開店前のケーキ屋さん」
など、今回も絶妙な例えで、頭にすーっと入ってくる説明は、もはや説明ではなくお話しを聞いているかのようなわかりやすさで、既に西尾先生の音楽の世界にどっぷりと浸っていました。
楽曲解説から始まり、楽譜と向き合い、歴史の話、ラヴェルの好みまで、いつものことながら盛り沢山!あらゆる角度からのアプローチで私達を惹き込んで飽きさせない、あっという間の2時間でした。
そして、西尾先生の講座を受けた後は、必ず曲を弾いてみたくなってしまいます。
本当に魔法にかかってしまう講座です。
西尾先生、今回もありがとうございました。
文責・・・服部 聡子
《5月講座》 オンラインレッスン講座
5月音の葉研究会の定期講座は、西尾洋先生のオンラインレッスンセミナーがYouTubeで配信されました。
コロナウイルスの影響で、オンラインレッスンを行う先生が増えている中で、このようなセミナーを開いていただき、とても参考になりました。
・オンラインの方法
・使用する道具
・音質
・実施例
・メリット
などについて、可能な限り、細かく説明してくださいました。
また、Spotifyというアプリでは、4月28日から週5日、5分程度お話をされています。
内容は休業に関する給付金の話、音の葉研究会立ち上げ時のまゆみ先生との話など多岐にわたり、6月8日現在も続いています。
https://anchor.fm/yo-nishio/episodes/20200428-edbs0d
今回は、インヴェンション第1番ハ長調の解説動画も作っていただきました。
何度受けても新しい発見があります。
オンラインレッスンは、生徒のレッスンだけでなく、今後も著名な先生方のセミナーを私達指導者も受講できる、便利なツールとして残っていくでしょう。
改めて、タイムリーな内容で講座を開催していただいた西尾先生、ありがとうございました。
文責・・・吉本 良恵